赤いレンガの叔父の家の鍵

2020年の正月明けから、いよいよ癌の症状が酷くなり入院生活になった叔父。 コロナの影響で入院患者の遺族や関係者等全ての人は、病室への面会禁止になっていました。 (叔父はコロナ感染者ではありません) 叔父はずっとひとり暮らしだったため、入院中の世話は私の父と母がせっせと病院を行き来し、洗濯モノや必要なことをしていました。 看護師さんに必要なモノを渡し、直ぐに帰る。 直接会えないので、日々の顔色や身体の変化が分かりません。 そんな中、ひとり暮らしの叔父の素敵な一軒家に空き巣が入りました。 田舎の景色の中にある、赤いレンガの壁に、三角の大きな屋根、そこだけヨーロピアンテイストな空間で、建てた当初は近所でも珍しがられておりました。 30年近く経ったその家で、母が預かった叔父の家のカギを使い、そこでパジャマなどの洗濯をしていたのですが、 「叔父の家の前に鍵を落として来てしまったのではないか・・・・」 と、事後報告がありました。 気付かれないように??? 少しづつ少しづつモノがなくなって行った様子。 はじめは気のせいかと思っていたらしいです。 父親の兄弟ですし、やっぱり人の家なので、用事を済ませたらすぐにその家を出ていたそうです。 遠方に住む私に母からラインが・・・ 「誰か・・・住んでるカモ??」 母が気づいた異変から、1ヶ月経過していました。 決定的となったのは、そこには無かったはずのスリッパが、玄関マットの上に はい。お邪魔しました・・・ と言わんばかりに、丁寧に揃えて置いてあったそうです。 鍵が少し特殊だったようですが、悪人の手に渡ってしまっては最後でした。 端からみたら間抜けな話です。 勝手に鍵を使われ、出入りされていたのですから。 鍵は付け替えました。今もまだ、空き家になって建っています。